人間のお葬式では、祭壇を飾ったりお供えしたりする花は、菊やユリなどの仏花が一般的です。ペットの葬儀では、どのような花が使われるのでしょう。また、知り合いのペットの葬儀に参列したり、お悔みの花を贈ったりする場合、どの花が適切なのでしょう。ここでは、ペットとのお別れにおすすめの花や選ぶ時の注意をご紹介します。
ペットとのお別れで用いる花の選び方
ペットとのお別れで用いる花は、仏花を選ぶ必要はありません。花を使ってペットへの愛情を表現するつもりで、ペットと飼い主の繋がりが感じられる花を選ぶと良いでしょう。
ペットとの思い出がある花
ペットとの思い出がある花は、ペットとの結びつきを象徴します。ペットが特定の花を好んでいた、一緒に過ごした場所に咲いていた花などが考えられるでしょう。
色や花言葉
色や花言葉によって、敬意と感謝を示すことが可能です。ペットが特別な存在であり、多くの喜びや幸せを、もたらしてくれたことを伝えられます。ペットに敬意を示すために美しく格式高い花を選んだり、感謝や愛情など自分の気持ちを代弁する花言葉の花を選んだりすると良いでしょう。
季節の花
季節の花は、その時期に最も活き活きとしている花であるため、祭壇を華やかに彩れます。また、その花の季節が来るとペットのことが思い出せるため、いつまでも大切なペットを記憶にとどめられるでしょう。
ペットとのお別れにおすすめの花
ペットとのお別れにおすすめの花を、花ことばとともにご紹介しましょう。
チューリップ
チューリップには、「思いやり」という花ことばがあり、ピンクや黄色・赤など色も豊富です。色によって花ことばも違ってくるため、ペットへの思いに寄り添う花ことばの色を選ぶと良いでしょう。
カーネーション
カーネーションは、「無垢で深い愛」です。母の日に贈る花のイメージですが、ペットのお葬式で使われることも多い花です。感謝や敬意を表す花であるため、ペットへの感謝や記憶を称えるのに適しています。ピンクや白のカーネーションがよく使われます。
ひまわり
ひまわりは、「愛慕」や「あなたを見つめている」です。ペットの葬儀にひまわりを用いることで、ペットへの深い愛情と感謝の気持ちを表現できます。また、ひまわりは種から花へと成長し、花が終わると新たな種を残すという自然のサイクルがあり、生命の連続性を象徴しています。ペットの葬儀にひまわりを用いることで、ペットの存在が終わりではなく、新たな命や思い出として続いていくことを示せるでしょう。
マーガレット
マーガレットは、「優しい思い出」と「私を忘れないで」です。白いマーガレットは、無垢や清浄さを表し、ペットの純粋さや尊さを表現するのに適しています。
スイートピー
スイートピーは、「優しい思い出」です。優雅な花姿が特徴的で、その姿は、ペットへの思いやりと敬意を表現するのにふさわしいものとされています。とくに、ピンクや紫色の明るい色彩のスイートピーは、ペットの葬儀において、希望や温かさを表現するのに適しているでしょう。
ペットの葬儀の花を選ぶ時の注意点
ここからは、ペットの葬儀で花を選ぶ際の注意点について解説していきます。
色移りしにくい淡い色を選ぶ
棺に入れる花は、色移りしにくい淡い色の花を選びましょう。とくに、白など薄い毛色のペットは、花びらの色がつきやすいので注意が必要です。ただし、数本なら入れられることもあります。
造花
近年は本物と見分けがつかないぐらい精巧な造花もあります。しかし、燃えにくい素材のため、棺に入れるのは禁物です。また、火葬時に樹脂がお骨についてしまうこともあります。
棘がある花
棘がある花は、苦痛を連想させるためペットとのお別れの花に向いていません。また、攻撃的な印象を与えるため、ペットにお供えする花としても向いていません。どうしても棘のある花を贈りたい場合、棘の処理をしてから贈るようにしましょう。
匂いが強い花
ほんのり香る花の匂いは癒されますが、匂いがしばらく残るぐらい強いものは避けるのが良いでしょう。また、花粉が多い花も禁物です。
ドライフラワー
ドライフラワーは、枯れた花として捉えられ、縁起が悪いとされています。また、枯れた状態を保っているため、葬儀の場にはふさわしくありません。生花を用いるようにしましょう。
まとめ
ペット葬儀は、ペットへの敬意を示す大切なお別れの儀式です。ペットとのお別れに用いる花は、花ことばも考慮して、思い出深い花を選ぶようにしましょう。ペットへの気持ちについて、表現できる花を選ぶことで、ペットの死を悼むとともに心に安らぎも得られるはずです。
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